【2026年最新版】DRBD・Pacemakerのサポートライフサイクル(EOL)

1. はじめに

高可用性(HA)クラスタを長期間にわたり安全に稼働させるためには、各ソフトウェアのサポート終了(EOL)時期を正確に把握し、基盤となるOSのライフサイクルに合わせたバージョン選定を行うことが不可欠です。

本記事では、LINBIT社から公開された最新のサポートライフサイクル情報に加えて、以前にお伝えしている「2026年9月以降の新規カーネルに対するDRBD 9.1および9.2の対応終了」という重要なアナウンスを踏まえて、DRBDとPacemakerのサポートサイクル、ならびにCentOS 7を含むRHEL 7〜10環境における互換性を解説します。

2. DRBDおよびPacemakerのサポート終了時期

現在公開されている最新のサポート終了時期は以下の通りです。現在お使いのバージョンがいつサポート終了を迎えるのか、あるいはすでに迎えているのかをご確認ください。

DRBDのサポートライフサイクル:

  • DRBD 8.3.x: 2022年にサポートを終了しました。
  • DRBD 8.4.x: 2026年にサポート終了予定です。
  • DRBD 9.0.x: 2030年にサポート終了予定です。
  • DRBD 9.1.x: 2034年にサポート終了予定です。
  • DRBD 9.2.x: 2036年にサポート終了予定です。

Pacemaker / Heartbeatのサポートライフサイクル:

  • Heartbeat: 2024年7月にサポートを終了しました。
  • Pacemaker 1.1.x: 2024年7月にサポートを終了しました。
  • Pacemaker 2.0.x: 2029年6月にサポート終了予定です。

ここで特に注意すべき点は、長らく利用されてきた DRBD 8.4系が2026年をもってEOSを迎える という事です。さらに、2026年9月以降は新規カーネルに対応したDRBD9.0、9.1および9.2のリリースは行われない ため、将来的にリリースされる新しいOSカーネルでDRBDを稼働させる場合は、DRBD 9.3以上への移行が必須となります。

また、現在ご利用のDRBDは、カーネルのバージョンを上げなければ9.3にバージョンアップすることなく、そのままご利用いただく事は可能です。

3. CentOS 7環境でのサポート状況について

「CentOS 7でのサポートは引き続き可能なのか?」というお問い合わせを多くいただきます。 LINBIT社のサポート対象プラットフォームにはCentOS 7が含まれているため、現状の動作サポートは引き続き可能です。

もし、利用中のシステムがCentOS 7、DRBD 8.4、Pacemaker 1.1で稼働しており、特に動作に問題がない場合、OSやDRBD、Pacemakerのバージョンを上げることなく、そのままのバージョンで利用いただくことも可能です。ただしOSが持つセキュリティへのパッチ対応はできなくなります。

今後システムをリプレースし、OSをRHEL 8/9やAlmaLinux 9などへアップグレードする際には、DRBD 8.4およびPacemaker 1.1のままでは動作しないため、必然的に「DRBD 9.x + Pacemaker 2.x」へのメジャーバージョンアップが必須となります

4. RHEL系OS(互換OS含む)とのバージョン互換性マトリックス

OSのメジャーバージョンアップに伴い、サポートされるクラスタスタックのバージョンも変化します。今後のシステム設計の指針となるよう、互換性マトリックスをまとめました。

OSバージョン (AlmaLinux, Rocky等の互換OS含む)Pacemaker 1.1.xPacemaker 2.0.xDRBD 8.4DRBD 9.0DRBD 9.1 / 9.2DRBD 9.3以降
RHEL / CentOS 7△(注2)△(注2)
RHEL 8 系× (注1)× (注1)△(注2)△(注2)
RHEL 9 系× (注1)× (注1)×△(注2)
RHEL 10 系 (予定)× (注1)× (注1)×△(注2)

(注1) RHEL 8以上の環境では、DRBD 8.4およびPacemaker 1.xは動作しません。 (注2) 2026年9月以降の新規カーネルには対応しないため、採用カーネルのバージョンによりDRBD 9.0/9.1/9.2は動作不可となります。

5. まとめ

DRBD 8.4のサポートは2026年に終了します。また、Pacemaker 1.1もすでに2024年にサポートを終了しています。 CentOS 7での稼働サポート自体は継続されているものの、後継OSへ移行する際には必ず「DRBD 9.0以上 + Pacemaker 2.0以上」構成へのリプレースが必要になります。さらに、将来のRHEL 10対応を見据える場合は、「DRBD 9.3以降」の採用を視野に入れたロードマップの策定が不可欠です。

もちろん、OSのバージョンアップを一旦保留とし、現在稼働しているDRBDやPacemakerの環境をそのままご利用いただくこと自体は可能です。ただ、OSのセキュリティパッチが提供されない状態での運用は、昨今のサイバーリスクを考慮しますと、システム管理者様にとっても非常にご不安の残る選択になってしまうかと存じます。

各システムのライフサイクルに合わせた計画的なバージョンアップを実施し、HAクラスタの安定稼働を維持してください。